工業材料シリーズ 技術資料

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第1章③ポリフェニレンスルフィド(Polyphenylenesulphide)PPSポリフェニレンスルフィドは、1967年にアメリカのPhillipsPetroleum社が開発し、1973年に上市した結晶性樹脂である。一般的にはパラジクロロベンゼンと硫化ナトリウムをN-メチル-2-ピロリドン等の極性溶媒中、200~250℃で反応させて得られる。結晶性の線状高分子で、溶融時の粘度が低く、常温では硬くて脆いので、ガラス繊維、炭素繊維、無機充填剤との複合材料として用いられている。●構造式●特長耐熱性にすぐれ、無機充填剤を使用したPPSの連続使用温度は240℃。機械的強度、剛性、電気特性および寸法安定性等がすぐれている。難燃性(UL94V-0)であり、低発煙性である。直鎖型PPSは白色で、架橋型PPSの茶褐色、硬くて脆い欠点をカバーしている。引張り、曲げ強さ、伸びなどにもすぐれるが、耐熱性、耐クリープ性は低下する。耐薬品性にすぐれ、37%塩酸、硝酸、四塩化炭素、トルエンなどによって影響を受けるが、多くの溶剤、酸、アルカリに耐える。1)2)3)4)5)●用途電気・電子部品、家電部品、自動車部品、機械部品(ケミカルポンプ等)1-23


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