工業材料シリーズ 技術資料

工業材料シリーズの技術資料となります。


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-2-1.温度に対する考慮サンロイド工業用プレートの物性は温度の影響を大きく受ける。すなわち、温度の上昇に伴い、引張り強さ、曲げ強さなどの機械的特性が低下する傾向がある。従って使用温度における物性を確認すると同時に温度変化、局部的な温度変化、温度サイクル、熱衝撃にも注意する必要がある。-2-2.荷重に対する考慮一般にプラスチックは鉄鋼に比べて強度は低い。サンロイド工業用プレートの引張り強さは、軟鋼の約1/7、弾性率は約1/70である。すなわち、加工品を作る場合は荷重、応力がなるべくかからないようにすることが望ましい。例えば、鉄アングルや缶体自体にかかるようにすることが必要である。応力の集中、応力の分布、熱応力、応力の繰り返し等にも十分注意が必要である。-2-3.内容物に対する考慮666第6章第6章設計を行う場合、内容物の種類及び状態を明確に把握しておく必要がある。耐薬品性の面から使用する材料に制限を与える可能性があるとともに、内容物が気体・液体・固体の何れの状態にあるかによって、設計時の強度の考え方が変わってくる。耐薬品性は特に、使用温度によっても大きく影響を受けるため材料選択時には注意が必要である。構造物のサイズを明確にする必要がある。構造物のサイズは設計を行う上での基本的要素であるとともに、大型サイズになれば材質や加工方法に制限を与える場合がある。形状的には丸形か角形か、タンクで有れば蓋の有・無によって設計が異なってくる。-2-4.サイズ及び形状に対する考慮6-2-5.ノッチ及び集中応力に対する考慮一般にプラスチックはノッチに弱い。サンロイド工業用プレートも例外ではなく、シャープな傷は勿論のこと、シャープなコーナーを作ると応力がその部分に集中し易い。従って、傷を付けないこと及びコーナー部は出来るだけRを大きくとり、集中応力が分散されるように考慮する必要がある。66-2.設計時の留意事項6-4


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