工業材料シリーズ 技術資料

工業材料シリーズの技術資料となります。


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ライニング完了後施工が完全かどうかを検査する必要がある。ライニングの検査には外観検査、ピンホール検査、水張り試験などがある。(1)外観検査①ライニングが設計通りの仕様になっているかどうか。②ライニングされたシートの表面に気泡あるいは接着剤のムラによる凹凸があるかどうか。③溶接部に欠陥はないか。④溶接部に焦げはないか。⑤溶接部のバリや棒のつぎたしがうまくおこなわれているか。⑥キズはないか。(2)ピンホール検査高圧高周波発生装置のピンホールテスターによって、ピンホールを検出する。一般に金属タンクのライニングテストに用いられる。テスター先端の誘電子を溶接部に沿って移動させると、先端より出るスパークは、ピンホールのない場合は絶えず動き、集中しないが、もしピンホールや小さなクラックがあると太い明瞭なスパークがピンホールに集中する。先端電圧は普通15000V程度でおこなう。ピンホールのある所はホットジェットで軟化させ、ナイフで切り取り再溶接する。コンクリート槽、木槽の場合は電気不良導体であるため、前処理として溶接溝にカーボン粉を10%混入した接着剤を前もって塗布しておくか、溶接部裏側に導電体の薄い金属板を貼り付けておくとよい。この導体は普通巾30㎜程度の金属箔(銅、アルミ)を用いる。(3)水張り試験最後に実際に水を入れてみて漏水の有無を確める。前項のピンホールテストで異常がなくても水を入れることにより、応力が働きもし弱点部分があるとその部分より破壊することがある。その他槽自身の変形による欠陥がおこる場合がある。この水張り(または温水60℃)試験は少なくとも24時間おこなう必要がある。容器の底には検水孔をつけておき、容器に徐々に水を満して漏水をみる。7-5-18.ライニング後の検査7-89


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