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⑥ポリブチレンテレフタレートPBT(Poly(1,4-butyleneterephthalate))1940年代から知られていたポリエステルであるが、工業的には1970年、アメリカのCelanese社により〈X-917〉として上市されたのが最初である。その後急速に市場開拓が進み、同時にこの樹脂の将来性が高く評価され、5大エンジニアリングプラスチックの一つとして位置づけされるに至った。現在我が国では、各社が各々特徴あるグレード展開、品質向上などによりしのぎを削っている。※日本GEプラスチックスウインテックポリマーBASFジャパン東レバイエルバロックスジュラネックスウルトラデュアトレコンポカン三菱エンジニアリングプラスチックスノバデュラン●構造式●特長1)2)3)機械的強度、耐熱性、電気的特性、耐薬品性、成形加工性にバランスのとれたエンジニアリング樹脂、特に電気絶縁性、吸湿による電気特性の変化が小さいこと、絶縁破壊電圧の高いことから電気・電子用途に適す。有機溶剤、潤滑油、ガソリン類などに耐性があるが、強アルカリ、フェノール類、塩素化炭化水素などには侵される。加水分解により劣化する。熱水中で1年間連続使用するときの温度は50℃である。高温高湿雰囲気下での使用時も同様。●成形加工条件他のエンプラに比較して成形性はすぐれているが、原料中の水分により成形時に加水分解を起こし劣化するので、成形前の予備乾燥が必須である。●主な用途例電気・電子、自動車電装などに幅広く用いられる。1-18