工業材料シリーズ 技術資料

工業材料シリーズの技術資料となります。


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鋼★鉄鋼について一口に鉄鋼と言うが鉄(Iron)と鋼(Steel)は多少異なる。鉄と鋼の違いは、C(炭素)の含有量で分けられる。重量比で鉄C=0~0.04%鋳鉄C=2.1~6.7%鋼C=0.04~2.1%2-2.プラスチック以外の工業材料について鋼はさらに炭素の少ない方から順番に、極軟鋼、軟鋼、半硬鋼、硬鋼、最硬鋼というように分けられている。★鉄(てつ)化合物として広く岩石・鉱物中に存在し、磁鉄鉱・赤鉄鉱・渇鉄鉱などとして産する物質。強磁性を示し、硬質で延性・展性に富み、高温になると軟化・溶融し低温では脆性化する。また、大気中の湿分により錆を生じることがある。実用上の鉄は炭素を含有し、その度合いにより鋳鉄から鋼にいたる様々な特性を示す。安価で多用途に使用できる有用な金属であり、建築においても各種形鋼や鉄筋などとして広く利用される。★鋼(こう)炭素を0.04~2.1%程度含有する鉄と炭素の合金。鉄と炭素を主成分とし少量のシリコンやマンガン、微量のリンやイオウなどを含むものを炭素鋼といい、鉄と炭素にニッケルやクロム、モリブデン、銅などの合金元素を加え、性質を改善したものを特殊鋼という。建築用としては、炭素含有量0.15~0.28%の軟鋼が多く使用される。○特徴①機械的強度にすぐれる。②耐熱性、耐寒性がすぐれ、使用温度範囲が広い。③比重が大きく、軽量化を必要とする用途には向かない。○耐蝕性①水分と酸素の存在下で腐蝕が進行し、錆が発生する。②酸にはほとんどのものに侵されるが、なかでも塩酸に最も腐蝕される。③アルカリに対しては高温度でない限り十分耐蝕できる。アンモニアにも耐蝕度が高い。④酸化性塩類の水溶液では腐蝕が激しい。2-4


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