工業材料シリーズ 技術資料

工業材料シリーズの技術資料となります。


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接着ライニングはゴム系の接着剤をライニング体とシート両面に塗布し、バーナー等の熱源にて加熱してライニングする方法である。この方法の特長は温度変化、各種の応力変化に最も安全な施工方法である。ただし相当高度な技術が必要である。(1)鉄槽への接着ライニング①缶体の表面処理7-5-3.接着ライニング接着性を良くするために鉄表面の錆や油類を除去する必要がある。通常サンドブラスト及びディスクサンダー仕上げが作業性の点において最も多く用いられている。その他に酸処理もあるが取扱い上と後処理に問題があるのであまり用いられない。処理後MEKにて洗浄し、錆発生を防ぐため接着剤を1回塗布しておくと良い。イ)サンドブラスト法サンドブラスト法は金属表面の脱スケール(黒皮)の方法として、最も理想的な方法で、砂と高圧空気を金属表面に吹きつけることによる機械的脱スケール法である。一般に15~50馬力の空気圧縮機を用い、圧力は0.29~0.59MPa〔3~6kgf/cm2〕で噴射し、表面の黒皮を除き金属本来の光択(銀灰色)になるまで噴射加工し、梨地模様に仕上げる。ロ)ディスクサンダーによる研磨巾の広い目の細い平砥石のディスクサンダーで研磨する。目の荒いものは錆がついたり、深い傷をつくりライニング時に気泡を巻き込む原因になる。サンダーの押え角度を一定(15°~20°)にして常に注意して表面を平滑に仕上げるようにする。第7章酸洗いは、塩酸、硫酸などで酸化被膜を取り除く方法で、濃度は約15%程度、温度は50~60℃、30~60分程度のものが一般的である。タンクの場合浸漬することがむずかしいので、液をかけて、ワイヤーブラシ等で錆を落とす方法が多い。酸洗い後すぐに水洗いをして防錆剤(炭酸ソーダ+亜鉛+水)を塗り、1~2時間後再び水洗いする。ハ)酸洗処理②接着剤の調合ゴム系接着剤を使用時に充分に混合して取出し、溶剤で希釈して塗りやすくする。ニトリルゴム系は溶剤としてMEKで、ネオプレンゴム系はトルエンで希釈し、粘度を0.5~0.6Pa・s〔500~600cps〕程度にする。接着剤7に対して溶剤3~4程度の割合がよい。③接着剤の塗布刷毛で接着剤を缶体に2~3回、シート面に2回それぞれ指触乾燥後重ね塗りする。塗布間隔は30分以上保ち接着剤に含まれる溶剤を充分に乾燥することである。塗布量は。400g~800g/㎡(原液)程度が適当である。接着剤塗布後は1昼夜内外放置して接着作業に移る。7-74


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