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(1)熱応力によるせん断はくり熱応力によりライニング板に引張り又は圧縮がかかる。これを接着力で抑える。図のような単位面積について考えると熱応力σT=E(α1-α2)△t(MPa)〔kgf/㎝2〕t(㎝)厚の断面にかかる力は、単位巾1cmあたりFt=σT×1×t×100(N)ここで接着剤のせん断接着力がFt以上であれば、ライニング材は移動しない。接着剤のせん断接着力をFaとすると〔Ft=σT×1×tkgf〕Ft≦Faでなければならない。よってt≦FaE(α-α12×100)×Δt(㎝)第7章t:ライニング材板厚Fa:接着剤のせん断接着力E:弾性係数(2)熱応力による垂直はくり(㎝/巾1㎝)α1(MPa)〔kgf/㎝2〕α2(MPa)〔kgf/㎝2〕Δt:温度差:ライニング材の線膨張係数:基材の線膨張係数(1/℃)(1/℃)(℃)円筒型の接着剤ライニングの場合図の様なはくり部分があると熱応力が垂直方向のはくり力となる。ft=Ftsinθ(N)〔kgf〕Ft=E(α1―α2)△t×1×t×100(N)〔Ft=E(α1―α2)△t×1×t(kgf)〕ゆえにft=E(α1―α2)△t×t×100×sinθ(N)〔ft=E(α1―α2)△t×t×sinθ(kgf)〕ftFt:垂直はくり力:熱応力(N)〔kgf〕(N)〔kgf〕ここで接着剤の垂直はくり力がft以上であれば、はくりは進行しない。接着剤のはくり接着力をfυとするとft≦fυでなければならない。よって≦tE(α-α12fυ×100)×Δtsinθ×(㎝)t:ライニング材板厚(㎝/巾1㎝)fυ:接着剤のはくり接着力(N/㎝)〔kgf/㎝〕θ:基材とライニング材のなす角度=10°以下一般に塩ビと鉄の接着でゴム系接着剤を用いるとFa=2.9~7.8MPa〔30~80kgf/㎝2〕、fυ=290~780N/㎝〔3~8kgf/㎝〕、θ=10°以下と考えられる。7-787-5-4.接着ライニングにおける板厚