工業材料シリーズ 技術資料

工業材料シリーズの技術資料となります。


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第8章8-3(1)丸鋸一般に2mm厚以上のサンロイドプレートを直線に切断する場合に用いられ、機械は丸鋸を固定して材料を手で送る形式と、材料を固定して丸鋸を移動させる形式の2種類がある。丸鋸切断において問題となるのは、鋸刃と材料の摩擦熱による焦げや融着と切断面の欠けである。チップソーの場合は鋸刃の刃数は融着に関しては少ない方が良いがあまり少なくすると欠けが発生する。回転数は、通常最も汎用されている回転数3500~6000rpmの範囲で充分である。刃先の角度がシャープな程切れ味もよく融着もなく良好な状態に切断できるが、横にげ角とアサリは特に摩擦に対する対策として大切である。鋸刃の切断高さは一般に材料から10~20mm上に出るようにする。切断時欠けの発生しない範囲、いわゆる安全区域がある。融着防止のためにはこの安全区域の下限(切断高さを低くする)で切断することが非常に効果がある。切断高さを高くすると材料と鋸刃の接触範囲が広くなり、摩擦熱が発生し融着を起こす。超厚物を切断する場合は空気噴流や水などの噴霧で鋸刃を冷却するとよい。送り速度は、早い方が融着は起こらないが、欠けについては逆効果となる。鋸刃の選定が適正ならば、5~6m/min位で融着なくきれいに切断できる。鋸刃の再研磨は非常に重要であり、角度を充分考慮して研磨することが大切である。チップソーの耐久性は送り速度6m/minで5000m位で研磨するのが望ましく、研磨可能回数は20回程度である。冬期には切断面に欠けが生じやすくなるためできるだけ作業温度を上げるのが望ましい。鋸刃には、㈱オリオン工具製作所製プラスチック専用丸鋸刃“TC+20”が数々の条件を満たしている。丸鋸機としては、材料を移動させるタイプとして横切り丸鋸盤、軸傾斜丸鋸盤、水平切取盤があり、鋸刃の移動するタイプとして自動パネルソー(写真)、ランニングソーがある。


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