工業材料シリーズ 技術資料

工業材料シリーズの技術資料となります。


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★トラブルQ&AQ1どうしても丸鋸盤で2㎜よりも薄いシートを切断したいが、欠けが発生してしまう。A1機械仕様により異なるが、シート裁断時のバタツキを抑えることが重要である。2㎜以上の捨て板や木材で切断部を挟み込み、切断を行うと比較的綺麗に切れる場合がある。この時、送り速度は3~4m/min程度に抑える。低温下では材料が脆くなるため、室内の温度を上げて切断することも効果的である。鋸刃は、出来るだけ目の細かい物を使用すると良いが、重ね切りを行う場合には、蓄熱による融着が懸念されるため、注意が必要である。本方法で切断できない場合には、他の切断方法の採用を検討する。Q250㎜など、厚いシートを切断する場合の注意点。臭気について。A2板厚の厚いPVC材料を切断する場合、鋸刃と材料の摩擦による蓄熱により、材料が溶け、塩化水素ガスが発生する場合がある。塩化水素ガスは、有毒であるため、広い部屋で十分に換気を行いながら切断する必要がある。同じ塩ビ系の材料でも切断時の臭気が異なる物があるが、これは添加剤の種類の違いに起因する。(2)帯鋸一般に木工用の帯鋸機が用いられる。帯鋸の切断精度、切断面の状態は丸鋸にくらべてよくないが、任意形状輪郭の切断や、くり抜きなどに便利である。鋸刃の巾の広いものは長い直線距離の切断に適し、狭いものは曲線部分の切断に適する。鋸刃は、一般に1cm当たり3~6個のものがよい。鋸刃のスピードは、一般に周速1200~1500m/min程度である。送りは、遅くすると摩擦熱による融着が起こるため早い方がよい。しかし、送りを早くすると鋸刃が狭い場合刃のねじれが発生しやすくなるので注意すること。帯鋸刃のガイドが設けられている帯鋸機を使用する場合には、ガイドを出来るだけ切断物に接近させ、歯のねじれを防ぐようにする。摩擦熱による板の軟化を防ぐには空気噴流で冷却する。サンロイドポリプロエース(工業用PP)は、融着しやすい為、帯鋸切断には不向きである。8-4


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