工業材料シリーズ 技術資料

工業材料シリーズの技術資料となります。


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サンロイドプレートは熱可塑性樹脂であるから加熱すると軟化し、更に温度を上げることによって流動状態にまで移行し、これを冷却するとそのままの形態で固化し常温でこの状態を維持している。この性質を利用することによって広範囲の熱加工ができる。・熱加工は一度始めればできるだけ速やかに最後までやり終えるようにし、また加工はできるだけ一工程で行うようにする。これは、加工歪みが成形品に残存することを防止し、複数の熱履歴を加えることによる材料の劣化を防止する意味で重要である。・加熱は均一に行い、温度が一様になるようにしかも加熱不足、加熱過剰を避けねばならない。低い温度で成形を行った場合、形状の不備が発生するだけでなく、成形品内に歪みが残り、長期間の使用中に変形が生じたり溶剤の接触や衝撃によって割れが生じやすくなる。高温で成形を行った場合、材料を均一に伸ばすことが困難となり、偏肉が生じるとともに、外観不良の原因ともなる。・加熱収縮により収縮しても差し支えない程度に、収縮分だけ大きく裁断しておかなければならない。・成形後の冷却は、徐々に行うことが好ましく強制冷却は避ける。○基本的留意点8-2.熱加工8-16


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