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第8章体は、温度の上昇によって膨張し、下降によって収縮する。温度1℃の変化によって生ずる物体の伸物縮量(長さ)を物体のもとの長さで除した値をその物体の線膨張係数という。プラスチックは、鉄に比べ約5~6倍の線膨張がありサンロイドプレートは約7×10-5/℃である。)プレート2m(L)あたり40℃の温度差(△t)が生じた場合、その伸縮長さ(△L)は次式で与えられる。例・線膨張つまり夏場と冬場とでは、その温度差を40℃とするとプレート2mあたり6mm程度の伸縮が発生する。鉄骨部材をプラスチックで被覆する場合などには、この線膨張差による割れがしばしば問題となるため注意が必要である。△L=α・△t・Lα:線膨張係数△L=(7×10-5)×(40)×(2000)=5.6mm・加熱収縮○線膨張と加熱収縮に対する考慮加熱収縮とは、一般に熱変形温度以上に材料を加熱した際、製板時に発生したシート内の歪みが緩和され、シートに収縮が発生する現象をいい、材質はもちろんシートの製法や厚さ、加工時の加熱状況によって異なる。線膨張と違い、一度発生した収縮はシート温度が加熱前の状態に戻っても、もとの長さに戻ることはない。従って、オーブン加工を行う際には、この収縮分を見込んでシートサイズを大きく用意する必要がある。材質によって様々であるが、サンロイドアンガープレートやサンロイド工業用プレートの加熱収縮率は1~5%である。押出板の場合には、一般的に押出流れ方向に収縮が生じやすく、垂直方向の収縮は少ない。一度熱処理によって加熱収縮が発生したシートは内部歪みが緩和されており、2度目以降の加熱収縮は、極端に小さくなる。例)熱加工の際、500㎜×1000㎜のシートサイズが必要な場合、PVC板をいくつに見ればよいか。但し、加熱収縮率を3%とし(シートの流れ方向は無視する)、熱風循環式オーブンで均一に加熱されるものとする。計算上500×1.03=515㎜1000×1.03=1030㎜が必要である。8-17