工業材料シリーズ 技術資料

工業材料シリーズの技術資料となります。


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(1)適性折り曲げ条件塩ビ板およびカイダックの温度による伸び率は、100℃前後が最も高い。できるだけ伸びがよく小さい力で曲げるには一般にプレートは130℃前後に加熱するのがよい。耐熱プレートやPPのように荷重たわみ温度の高いプレートは150℃前後が適温である。※折り曲げ加工時の注意点・加熱巾は必要最小巾にとどめる方がよく、板厚の8~10倍より大きくしてはならない。・曲げ半径は板厚の5~6倍以上が適正である。・片面加熱した場合、加熱した面を外側に折り曲げる。内側に折り曲げるとクラックや白化現象をまねくおそれがある。(2)折り曲げ技法と種類プレートを直線上に加熱して所定の角度に曲げる方法は、直接法と間接法に大別できる。①直接法加熱した丸、角パイプおよびアングルに材料を接触させて加熱軟化させ折り曲げる方法。②間接法所定のスリットの下に熱源を設置し、スリットの上に材料を置き加熱して折り曲げる方法。熱源としては一般に電熱線、石英管ヒーター、遠赤外線ヒーターがあり、トーチランプ、プロパンガスバーナーなどもよく利用される。直接法は比較的薄い厚さの板を曲率を小さく曲げるのに適しており、間接法は比較的曲率の大きな場合および厚い板を曲げるのに適している。また間接法は材料が直接加熱体に接触しないので外観上はすぐれたものが得られやすい。(3)折り曲げ作業①パイプヒーターによる折り曲げ普通一本のものと両面からはさんで加熱できる二本のものとがある。パイプヒーターによる厚物の折り曲げは難しく二本のものを使用する。厚さが4mm程度迄なら片面加熱でできる。片面加熱の場合、ヒーターの反対側にダンボールやネルなどの断熱体をおくと、加工スピードを上げることが出来る。パイプの径は12~30㎜程度で、太いものほど接触面積が増え、Rの大きい曲げが可能。PPはヒーター接触部分が溶けて、外観不良を生じやすい為、加熱時に荷重をかけないように注意する。ヒーターと材料が密着し、外観不良が生じるような場合には、ヒーター表面にテフロンテープを貼れば、外観を向上させることが出来る。加熱時にヒーターから材料が浮き上がるような場合には、治具を作製し、浮き上がりを防止し、均一加熱を心掛ける。8-2-1.折り曲げ8-18


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