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189-2・真空成形と圧空成形における材料温度の考え方■真空成形・圧空成形とは真空成形・圧空成形とは、加熱して軟化させたプラスチックシートを空気圧によってシートを引き伸ばして型に密着させる成形方法です。真空成形は真空の力だけでシートを引き伸ばすため、大気圧である1kgf/cm2以上の圧力はかからず、木型での試作や樹脂型での成形が可能な他、アルミ型での量産が可能です。圧空成形は3~5kgf/cm2の圧縮空気をかけて成形するので、真空成形に比べ、より形状の再現性が良く、精度の高い成形が可能となります。型はアルミ型で成形可能です。■カイダックの真空成形・圧空成形を行う際の留意点カイダックは加熱時の伸びにすぐれ、適正な条件で成形を行っていただくことによって、型再現性の高い成形品が得られます。以下にカイダックの成形上の留意点を示します。●予備乾燥多くの熱可塑性樹脂は、大気中の水分を吸収するため、熱成形を行う際にシートを加熱すると発泡現象としてあらわれる場合があります。発泡の程度は、シートの吸湿の状態、成形時の加熱温度などによって異なりますが、カイダックは成形前に予備乾燥を行うことを推奨いたします。予備乾燥の条件は、60~63℃で板厚の2乗時間を目安としてください。(例)厚さ3.0mmであれば9時間、5.0mmであれば25時間※造後、長期間経過したシートや湿度の高い環境下で保管されたシートは上記よりも長い乾燥時間が必要です。積み重ねた状態で乾燥を行うと、内部が十分に乾燥できない場合があるため、予備乾燥に際してはシート間にスペーサー(短冊状のダンボール等)を設け、接触状態での乾燥は避けてください。