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4●構造式(2)主要な熱可塑性樹脂の概要①ポリ塩化ビニルPolyvinylChloride,PVC●製造法塩化ビニルは、古くはアセチレンと塩化水素を反応させて製造していたが、現在はエチレン、塩化水素、酸素を反応させるオキシクロリネーション法とエチレン、塩素を反応させる直接塩素化法によって二塩化エチレンを作り、次いで高温熱分解により製造する方法が主流である。ポリ塩化ビニルは、塩化ビニルを懸濁重合して製造されるが、一部塊状重合法も行われている。乳化重合やミクロ懸濁重合法による平均粒径1μm前後のぺースト用樹脂も市販されている。●開発の歴史ポリ塩化ビニルは、1927年にアメリカのUCCが最初に工業化し、1930年代に相次いで生産が開始された。我が国では1941年にパイロット生産が開始され、1945年までに約300tonが生産された。1950年代にはアメリカからの技術導入もあり、質、量ともに大幅に向上した。●特長1)硬質から軟質(可塑剤を使用)まで広い範囲の製品ができる。硬質品は強靭で難燃性である。2)耐候性、透明性、耐水性、耐酸・アルカリ性にすぐれる。3)熱安定剤を添加して、カレンダー、押出、射出、ブロー成形やペースト加工など幅広い成形法が可能。●成形加工条件押出ダイ温度軟質160~190℃、硬質170~200℃カレンダー加工軟質140~170℃、硬質160~180℃●主な用途例1)硬質:パイプ、波板、平板、食品包装パック、雨樋、デッキ材、継手、窓枠2)軟質:農ビフィルム、ストレッチフィルム、レザー、ホース、電線被覆、タイル、ガスケットCH2SG:1.4HDT:75℃CHCn