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71物性等●耐候性試験weatheringtestプラスチックの耐劣化性試験の一種で、自然の天候および人工の条件下における材料の劣化を調べる試験。試験方法には屋外曝露試験(自然曝露、日光曝露試験ともいう)と人工促進曝露試験がある。前者は試料を南向き45°に保持して屋外に自然放置する法(ASTMD1435)で簡便であるが試験結果が得られるまで長期問を要し、試験場所によって自然条件に差があるなどの欠点がある。後者は耐候性試験機を用いて自然条件より数倍強い天候条件を試験機内でつくり出し、短時間に試料の耐候性試験を行なう方法である。試験機には光源の名称から分類してカーボンアーク式、サンシャインカーボンアーク式、キセノンランプ式耐候性試験機などがある。●脆化温度brittle(ness)temperature,brittlepoint脆化点ともいう。一般にプラスチックは低温にさらされると脆性を示すようになる。この現象を脆化といい、脆性破壊を起こす限界の温度を脆化温度という。脆性温度は種々の温度において試料に衝撃を与え、その破壊状態を調べて決定する。●分光透過率spectraltransmittanceある波長の輻射線を物体に当てた場合、物体を透過した輻射エネルギーと物体へ入射する輻射エネルギーとの比を物体の分光透過率またはスペクトル透過率という。この分光透過率を各波長に対して描いた曲線を分光透過率曲線という。●脆性破壊brittlefracture物体に外力を作用させると弾性変形、塑性変形を生じた後破壊する。破壊するまでの変形が小さく、かつ弾性変形のみであって、永久変形がないが、あっても無視できる程度に小さい(たとえば5%以下)ときを脆性破壊という。(引張られて破断するときの断面収縮率が数%以下の場合と規定することもある。)反対に破壊時の永久変形が大きい場合を延性破壊という。材料が脆性破壊するか延性破壊するかは材料の種類、外力の作用条件などにより左右され、たとえば外力の作用速度を速くするとか、温度を下げることにより脆性破壊の傾向が大となる。