工業材料シリーズ 技術資料

工業材料シリーズの技術資料となります。


>> P.11

第1章③ポリプロピレン(Polypropylene)PP1954年、イタリアのNattaはチーグラー・ナッタ触媒を用いると、立体規則性のポリマーが得られることを発見した。このポリプロピレンの工業化はイタリアのMonte-Catini社によって、1957年に開始された。我が国でも1962年に国産化が始まった。原料プロピレンを溶剤中でチーグラー・ナッタ触媒と接触させ、常温~80℃、0.3~1MPaで重合すると立体規則性のポリプロピレン(アイソタクチックポリプロピレン)が得られる。●構造式●特長1)2)3)4)5)6)比重が現在のプラスチック材料の中で最も小さい。機械的強度、耐熱性にすぐれている。表面硬度もあり、光沢がよい。加工性、ヒンジ特性、化学的・電気的性質がよい。ポリエチレン同様、通常は可燃性である。各種の性能はポリエチレンとよく似ている。HDPEと比較すると引張り強さ、曲げ強さは大きいが、衝撃強さは劣る。ストレスクラッキング性はPEよりも格段に良い。●主な用途例1)2)3)4)射出成形品:自動車部品、弱電機器、工業部品(各種コンテナ)、家庭用品(食器、バケツ、入浴用品)、雑貨品(玩具)。フィルム:包装、複合フィルム二軸延伸フィルム(OPP)低温時の耐衝撃性が著しく改善無延伸フィルム(CPP)強靱で透明性良好フラットヤーン:結束テープ、荷造用ひも繊維:産業資材(ろ布、漁網、ロープ)、ニードルパンチ・カーペット1-7


<< | < | > | >>