工業材料シリーズ 技術資料

工業材料シリーズの技術資料となります。


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⑧ポリ塩化ビニリデン(PolyvinylideneChloride)PVDC塩化ビニリデンは1838年塩化ビニルと同様にRegnaultによって発見された。1916年Ostromuislenskyは塩化ビニリデンが光により重合して、多くの溶剤に不溶の物質になることを報告している。DowChemica1社による広汎な研究は1940年、〈サラン〉の商品名で塩化ビニルとの共重合体からなる合成繊維の工業化に成功した。我が国では1950年に呉羽化学工業が〈クレハロン〉として工業化し、旭ダウ(現、旭化成)が〈サランレジン〉の生産を始めた。※ただし、〈サラン〉などラップフィルムは塩化ビニルとの共重合体である。●構造式●特長PVDCは単独重合体としてではなく、塩化ビニル、アクリロニトリルなどと共重合して用いられる。従って軟化温度、溶解性などはその共重合の割合によって異なる。一般的な特長を以下に示す。1)2)3)4)5)耐熱性があり、フィルムは気体透過性が小さい。比較的熱安定性が良く、難燃性である。耐水・耐湿性にすぐれる。耐薬品性、耐候性にすぐれる。ホモポリマーは軟化温度(185~200℃)と分解温度(210~225℃)が近いため、加工には不向き。●主な用途例1)2)3)4)フィルム繊維コーティングその他:食品包装、ラップフィルム:自動車シート、漁網、ろ布、防虫網など:ガスバリヤー性、防湿用:人工芝、容器など1-12


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