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第1章**********エンジニアリングプラスチック**********①ポリアミド(Polyamide)PA(ナイロン樹脂)DuPont社のW.H.Carothersによるナイロン6-6繊維が生産されたのは1938年に遡る。引続きI.G.社のP.Scalackによりナイロン6が発明された。プラスチックとしては1940年代になってから使用され始め、次第に優秀な特性が認められるとともに、品質の向上、コスト低下、成形技術の進歩などと相俟って着実に成長し、現在では最大のエンジニアリング樹脂の座を占めている。●構造式●特長1)2)3)4)5)6)7)8)耐熱性、機械的特性、力学的特性、耐薬品性、耐ストレスクラッキング性、クリープ特性など、エンプラとしてバランスのとれた材料として広く用いられている。フィルム、シート、モノフィラメントなどへの押出加工性と成形品の強靭性、耐熱性などの物性にすぐれる。難燃剤の配合により難燃化可能。吸水性を有し、寸法安定性や電機的性質に劣る。機械的性質は、吸水量によって大きく変化する。特に潤滑性と耐摩耗性にすぐれる。一般に化学薬品に対して強い抵抗性があり、普通の使用条件ではアルカリ、エーテル、炭化水素、ケトン、油、洗剤などに侵されない。しかし、フェノール類やギ酸には常温で、ハロゲン化物あるいは多価アルコールには熱時溶解する。耐酸性が悪く無機酸によって比較的簡単に加水分解をうける。●主な用途例1)2)3)自動車・車両:ラジエータータンク、クーリングファン、スピードメーターギア電気・電子:各種機器部品その他:食品包装用フィルム、漁網用モノフィラメント、人工芝、パイプ、雑貨など1-13