工業材料シリーズ 技術資料

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第1章③ポリオキシメチレン(ポリアセタール)(Polyoxymethylene)POM1920年代よりドイツのH.Staudingerによりポリオキシメチレンの重合、構造に関する一連の研究が行われたが、工業的には熱安定性の改良、加工、応用の研究成果をもとに、1959年DuPont社の〈デルリン〉として上市されたのが最初である。その後Celanese社によるコポリマー〈セルコン〉が開発され、現在もホモ及びコポリマーの両者が市販されている。我が国では当初上記両タイプの輸入販売による市場開拓から出発したが、現在ではポリプラスチックス(ジュラコン)、旭化成(テナック)、三菱エンジニアリングプラスチック(ユピタール)などにより15万ton強/年の生産・販売が行われている。●構造式ホモポリマーコポリマー●特長1)2)3)4)5)6)7)機械的強度、電気的性質にすぐれる。耐クリープ性、耐疲労性など長期物性が良い。耐摩耗性良好。総合的には加工性が良く、物性バランスにすぐれ広い用途に使用が可能。耐薬品性にすぐれ、常温では、ほとんどの有機溶剤に溶解されない。酸には弱く、アルカリにはコポリマーの方が良く耐える。紫外線には比較的弱く、屋外使用などの耐候性を要する用途には紫外線劣化防止剤の添加が必要。自己消火性ではなく、不透明である。●主な用途例1)2)3)4)自動車・車両:各種部品、アウターハンドル電気・電子:洗濯機、電話機、タイマー、VTR、ラジカセ、オーディオ機器などの部品一般機械:ネジ、歯車、バネ、軸受けその他:給水部品、玩具部品1-15


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