工業材料シリーズ 技術資料

工業材料シリーズの技術資料となります。


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銅・銅合金・電気伝導性が大きい。CuはAgに次いで電気伝導度が大きく、金属材料の電気伝導度の基準となっている。・熱伝導性が良い。・塑性加工性がよい。銅および銅合金は面心立方構造を有し、展延性に富み、圧延・伸線・絞り・曲げなどの加工が極めて容易である。・メッキ、はんだ付けが容易である。銅および銅合金はAu、Ag、Ni、Crなどのメッキが容易で、バフ研磨でより光沢のある良好な表面が得られ、種々の日用品に使用される。また、はんだ付けが容易なため、電気部品などに有用である。・磁性がない。伸銅品は非磁性であることが大きな特徴であり、電気計器の部品として多く用いられる。★銅合金一般的には銅合金鋳物は熱伝導性、電気伝導性がよく、耐蝕性、耐磨耗性、耐圧性がすぐれているなどの特徴を持っているが、添加物によって性状が異なる。青銅系鋳物は耐蝕性、耐磨耗性、被削性が良く、銅合金鋳物の過半を占めているが、肉厚部の強度がとれない。鋳物用銅合金としては、黄銅系、高力黄銅系、青銅系に加え、りん青銅、鉛青銅、アルミニウム青銅、シルジン青銅、ベリリウム銅、クロム銅などがある。黄銅系(CAC200系)Cu-Zn合金に鉛を少量加えたもの。銅と亜鉛の合金で、別の名を真鍮ともいう。亜鉛の含有率が35%のものが一般的。特に加工性がよくて美しいため、用途が広く、金物にも多く使用されている。大別して、プレスや切削などに用いられる伸銅品と鋳物用の黄銅鋳物の2種類がある。○○高力黄銅系(CAC300系)Cu-Zn合金にアルミニウム、鉄、マンガンを添加することにより耐海水性、強靭性、耐磨耗性、硬さを増したもの。用途としては軸受、軸受保持器、弁座、摺動部品などに用いられる。○青銅系(CAC400系)Cu-Sn-Znを基本にしたもので、鉛を含むものと、含まないものにわかれる。昔、大砲の砲身がこの青銅の鋳物で造られていたことから、別名を「砲金」ともいう。鋳肌が美しく古くから親しまれてきたもので、耐圧性、耐蝕性、耐衝撃性、軸受特性にもすぐれている。用途としては軸受、スリーブ、ブッシュ、ポンプ、バルブなどに使われる。○洋白亜鉛、ニッケルに、少量のマンガンを加えた銀白色の合金で、亜鉛、ニッケルの含有量により数種類に分けられる。耐蝕性にすぐれ、美しいため、装飾品や食器などに多く使用され、弾力性に富むため、楽器や電気材料の部品にも使用される。2-12


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