工業材料シリーズ 技術資料

工業材料シリーズの技術資料となります。


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★コンクリートの劣化の主な原因①コンクリートの中性化による劣化新しいコンクリートは水和生成物(水酸化カルシウムCa(OH)2)により強いアルカリ性を呈するので、コンクリート中の鉄筋をさびから保護することができる。しかし、コンクリートはその表面から空気中の炭酸ガスの影響を受けて、徐々に炭酸カルシウム(CaCO3)に変化してアルカリ性を失って行く。その結果、鉄筋を保護する能力が減少していく。②凍害による劣化コンクリートに吸収された水が凍結し、その際に生ずる膨張圧の繰り返しにより、コンクリートの組織がゆるみ、コンクリート表面の破壊、崩落に至る。③塩害による劣化コンクリート中の鉄筋が塩分によって錆びることで生じる劣化。・コンクリートの材料中に規定以上の塩分が含まれている。細骨材として水洗いが足りない又は水洗いを行っていない海砂を使用しているなど。・海岸近くに作られたコンクリート構造物に波しぶきなどを受けて起きる。波しぶき中の海塩粒がコンクリートの表面に付着して、それが内部に浸入していく。④酸による劣化コンクリート中のセメントは、主として、珪酸、アルミナ、酸化鉄の石灰塩と少量のアルカリ化合物からなるため、酸によって可溶性の石灰塩となり、コンクリートは浸蝕を受ける。特に、硫酸、塩酸、硝酸のような強い無機酸は、コンクリート中の水酸化カルシウムを中和するとともに、比較的安定な硬化生成物である石灰の珪酸塩やアルミナ塩まで分解してしまう。また、ナトリウム、マグネシウム、カルシウムの硫酸塩などの塩類は、コンクリート中の水酸化カルシウムと反応して可溶性の物質を作ったり、多量の結晶水をとって膨張し、コンクリートを破壊する。⑤アルカリ骨材反応による劣化アルカリ骨材反応とは骨材中のある種の鉱物とコンクリート中のアルカリ性の細孔溶液との間の化学反応。⑥すり減りによる劣化コンクリートが流水や波浪などの磨耗作用を受けたりすると、コンクリートの表面にすり減りを生じる。⑦透水することによる劣化透水しやすいコンクリートはコンクリート成分中の消石灰が水に溶解して流出し、空気中の炭酸ガスと化合して炭酸カルシウムとなり、つらら状の白色体を形成する。⑧高熱による劣化コンクリートが高熱にさらされると、コンクリートの構成材料の熱膨張係数の差、部材の表面と内部の温度差による内部応力、結晶水の逸脱などによりひび割れが発生し、コンクリートが劣化する。2-14


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