工業材料シリーズ 技術資料

工業材料シリーズの技術資料となります。


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第4章第4章物体に外力を加えた時に発生する応力(Stress)とひずみ(Strain)との関係を知るのに、一定形状の試験片に外力をかけ、各瞬間におけるひずみとこれに対応する応力とを測定する。一般に、硬質塩化ビニル板の降伏点にいたる応力-ひずみの関係は、明確な直線を示さない。図4-1にサンロイド工業用プレート(A777S)の各温度における応力-ひずみ曲線の関係を示す。図中の(A-B)の部分は荷重(応力)と伸び(ひずみ)が近似的にフックの法則に従う弾性領域で、この範囲内では荷重をとり除くと、変形はほぼ元にもどる。これに続く(B-C)部分は変形の回復に時間がかかる遅延弾性域でさらに荷重をかけていくと、降伏点(C)で荷重の増加はとまり、材料は白い局部収縮が認められる塑性変形を始め(D)にいたり、さらに荷重をかけると(E)で破断する。しかし、この傾向は、温度により異なり、90℃以上になると明確な降伏点は示さなくなる。一般に硬質塩化ビニル板の伸びは常温で100%前後であるがそれはほとんどが降伏点以後の伸びであり、降伏点までの伸びは2~4%前後であることに注意すべきである。各温度における応力-ひずみ曲線4-1図-4-1.引張りによる応力-ひずみの関係44-4.機械的性質4-14


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