工業材料シリーズ 技術資料

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第4章第4章温度変化による寸法の変化は次式のようになる。△l=α×l×△t△ll:温度変化に対する伸縮量(㎜):もとの長さ(㎜)α△t:線膨張係数(1/℃):温度差(℃)また、弾性範囲内の挙動とすれば、その時に発生する熱応力は次式で求められる。σt=E×α×△tσtα:熱応力(MPa):線膨張係数(1/℃)E△t:弾性率(MPa):温度差(℃)-5-4.軟化温度4JISでは硬質塩化ビニル板の軟化温度はビカット針入試験により測定することが定められている。ビカット軟化温度とは、一定の荷重下で定められた昇温により軟化した硬質塩化ビニル板に、その針が1㎜侵入したときの温度をいう。荷重は50N(5099gf)(JISK7206B50法及びB120法)と規定されているが、PPなどは10N(1020gf)(JISK7206A50法及びA120法)が一般的に使用されている。参考:荷重たわみ温度(JISK7191-2)直方体の試験片の両端を支持(100㎜間隔)し、中央部に定められた曲げ応力(0.45MPa:B法または1.80MPa:A法)を与えた状態で、定速昇温させ、一定のたわみを生じた時の温度を示す。硬質塩ビのような非晶性樹脂の場合、荷重たわみ温度を超えると剛性が急激に低下するため、実際の使用限界温度は荷重たわみ温度よりも10~20℃低い温度と考えた方が安全である。結晶性樹脂の場合には荷重たわみ温度から使用限界温度を判断するのは困難である。4-24表4-2各種材料の線膨張係数材料硬質塩化ビニル板ポリプロピレン鋳鉄銅アルミニウムセメントステンレスガラスFRPMCナイロンナイロン66ポリアセタールテフロン線膨張係数(×10-5/℃)7.011~130.9~1.21.6~1.72.3~2.41.0~1.41.20.852~56.5~910~15910


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