工業材料シリーズ 技術資料

工業材料シリーズの技術資料となります。


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サンロイド工業用プレートの線膨張係数は鉄の6~7倍である。従って長いダクト、タンクその他の大型設備において、他材料と組み合わせて使用する場合は、温度変化による膨張収縮を考慮してエキスパンション、あるいは固定方法を検討する必要がある。膨張収縮の計算は次式により行う。Δl=α(t2-t1)lΔlα:温度変化による伸縮長さ(㎝):線膨張係数7.0×10-5/℃(A777S)t2-t1l:温度変化(℃):t1における長さ(㎝)他材料に固定され、塩ビ板が拘束されているとき、温度差により塩ビ板に発生する熱応力(内部応力)は次式により求める。σT=E(α1-α2)(t2-t1)σTEα1α2:発生する熱応力(MPa)〔kgf/㎝2〕:塩ビ板の弾性率(MPa)〔kgf/㎝2〕:塩ビ板の線膨張係数(1/℃):他材料の線膨張係数(1/℃)例)使用温度50℃、冷却時の温度0℃、50℃での長さ100㎝とすれば、冷却時に収縮する長さを求めよ。(又、両端が鉄に固定されている場合の発生熱応力を求めよ。使用材料はA777Sとする。但し、A777Sの線膨張係数を7.0×10-5/℃鉄の線膨張係数を1.1×10-5/℃とする。解)Δl=α(t2-t1)lの式により収縮する長さは、(Δl=7.0×10-5×(50-0)×100=0.35㎝=3.5㎜である。0℃におけるA777Sの曲げ弾性率は3236MPa〔33000kgf/㎝2〕を適用し熱応力は、σT=E(α1-α2)(t2-t1)より、σT=3236×(7.0-1.1)×10-5×(50-0)=9.55MPa〔σT=3.3×104×(7.0-1.1)×10-5×(50-0)=97.4kgf/㎝2〕6-296-7.膨張収縮・熱応力の計算


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