工業材料シリーズ 技術資料

工業材料シリーズの技術資料となります。


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(4)ダクトの区分ダクトの内圧力によって、低圧ダクトと高圧1・高圧2ダクトに区分する。低圧ダクト(一般に空調・換気ダクトとして用いる)高圧ダクト(排煙、工場用排気ダクトなど)ダクト内圧による種類と圧力範囲(JISA4009-1997)内圧による種類常用圧力(*1)制限圧力(*2)正圧〔Pa〕負圧〔Pa〕正圧〔Pa〕負圧〔Pa〕低圧ダクト+500以下-500以内+1000高圧1ダクト高圧2ダクト+500を越え-500を越え+1000以下-1000以内+1000を越え-1000を越え+2500以下-2000以内+1500-750-1500+3000-2500ダクト各部の速度をあらかじめ決めて断面積、寸法を決定する計算方法。空調用のダクトのように分岐の多いときは実用的とは言い難く、ほとんどこの計算法は使われていない。②等摩擦損失法現在の主流とも言うべき計算方法で、もっとも摩擦損失の大きい経路のどの部分も、単位長さ当たりの損失(通常ダクト1mあたり)を同じ値で計算する方法。③静圧再取得法ダクト分岐部分の前後では下流側は流速が低くなる。流速の減った分の動圧の相当部分が静圧に戻って、実際の圧力損失は計算上の損失より少なくなる(この状態を静圧再取得という)。この静圧の再取得分を活用する計算方法。④全圧法分岐部分の下流では、流速が減る分静圧が増える。従来の静圧基準の等摩擦損失法の欠陥を補うため、全圧基準で継手などの部品の圧力損失を計算する方法。全圧法とは現在使用されている等摩擦損失法のことと同じである。*1常用圧力:通常運転の最大のダクト内静圧における内圧*2制限圧力:ダクト内のダンパ急閉などで、一時的に圧力上昇する場合の制限圧力。制限圧力内では、ダクトの安全強度や空気もれ量は保持されること。(5)ダクト寸法の計算法わが国の空調の発展過程で、次のような3通りの設計方法が使用された。①等速法②等摩擦損失法③静圧再取得法①等速法7-25


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