工業材料シリーズ 技術資料

工業材料シリーズの技術資料となります。


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プレートの穴あけ加工は、一般に電気ドリル、卓上ボール盤で簡単にできる。この場合使用するドリルは金属用ドリルがそのまま使用できるが、プラスチック用に先端角度を120~130度の角度に砥いで削る面積を小さくし、発生する摩擦熱を減らす。深い孔の場合や、高速穿孔の場合、蓄熱により削りくずが溝から逃げないで、孔の面をひどく荒らしたり切れ味が落ちることがある。ねじれ角を大きく、逃げ角も大きくしてプレートとドリルの摩擦を小さくする。ねじれ角30度程度、逃げ角10~20度程度でドリルの回転数は薄物で1000~2000rpm、厚物で200~1000rpm送りはドリル1回転当たり0.2~0.3mm程度が適当である。比較的大きな穴をあける場合にはホールソーを用い、更に大きな穴の場合には、糸鋸やジグソーで切り抜く。卓上ボール盤★トラブルQ&AQ1穴あけ時にクラックが入るA1回転数が遅く、送り速度が速い場合には、シートに負荷がかかり、割れに至る場合がある。シートの下にあて板を設けていない場合や、あて板にシートがしっかりと固定されていない場合には、材料のブレや浮き上がりにより、割れが発生し易くなる。刃物先端角度が鋭い場合、刃物先端がシートを突き抜ける際に割れが発生し易くなる。Q2穴内部に肌荒れが発生しているA2プラスチックは熱伝導率が小さいため、深い溝の場合や高速切削を行う場合、蓄熱により削り屑が孔内に残り、孔内面をひどく荒らす場合がある。このような場合、ひどい時には、穴の変形につながり、寸法精度を著しく低下させるとともに、熱歪みが残留し、思わぬ事故を招きかねないため注意が必要である。一般には下記のような対策を行う。①ドリルを定期的に孔から出し入れして、削り屑を孔から排出する。②空気噴流や場合によっては石鹸水等を流して孔内を冷却する。③回転数を落とし、送り速度を速くする。8-1-3.穿孔加工8-10


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