工業材料シリーズ 技術資料

工業材料シリーズの技術資料となります。


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★トラブルQ&AQ1:割れるA1・曲げた時に割れる。熱源の温度が高すぎる場合がほとんどであり、表面層は十分加熱されていてよく伸びるが、内部の加熱が不十分なため伸びが悪く、表面の伸びに内部の伸びが追随できず割れに至る。ヒーター温度を落とし、ゆっくり加熱を行う。また、厚板の場合には、両面加熱を行う。熱源の温度が高すぎると加熱面しか暖まらない。熱源・熱加工部付近に溶接加工をすると割れる。これは加熱不十分で曲げを行ったために、製品内部に歪みが残存し、再加熱によって内部歪みが急激にもとに回復しようとして割れに至ったものと考えられる。曲げ部分付近に溶接を行うような場合の折り曲げ加工は、最適条件での加工を特に心掛ける必要がある。・薬品に接触させた場合に割れる加工を行わない状態では使用可能な溶剤を用いた場合でも、熱加工を行った加工品を使用した場合、熱加工部付近に割れが生じる場合がある。加工時の内部歪みに起因する場合が多く、最適条件での加工を心掛ける必要がある。特に耐熱塩ビに同様の傾向が強く見られ、加工時には注意を要するとともに、耐薬品性についても事前に十分確認を行う必要がある。熱加工や溶剤の接触で割れに至る可能性がある。「内部歪み」Q2:加工品の曲げ角度が安定しないA2加熱が不均一な場合、加工温度が低い場合に発生しやすくなる。低い温度で加工を行った場合には、内部歪みが大きく、もとの状態に回復しようとする力が強く働く。加工した時点では、角度が安定している場合でも、長期使用中に角度変化が生じ、問題となる場合もある。適性加熱条件で加工を行うとともに、所望の角度よりも一端大きく曲げてから所望の角度に戻し、内部応力の発生を低減させる。PPは比熱が大きく、PVCに比べ暖まりにくく冷めにくいため、十分な加工時間をとるよう心掛ける。8-22


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