工業材料シリーズ 技術資料

工業材料シリーズの技術資料となります。


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シートをクランプせずに、フリーの状態で加熱を行い、軟化したシートを所望の型や治具間に配置し、プレス機や人力によって加工する方法。硬質塩化ビニル板の場合は伸びが充分でないがカイダックの場合は伸びが大きいので、圧縮力の大きいプレス機や型を揃えれば板厚10mm程度までできる。(1)加熱方法加熱は一般に熱風加熱炉を使う。熱風は循環式で炉内が一定の温度に保持できるものがよい。他には流動パラフィンなどを加熱体として使う油浴もある。これは熱の伝達が熱風形式よりも早いが仕上がり後の油の除去に困難が伴う。現場的な加熱方法としてはトーチランプやガスバーナーなどが手軽でよく用いられている。火炎による加熱軟化を行うため表面を焦がすことがあり加熱が不均一になりやすいため熟練を要する。時には温水を利用する場合もある。①熱風循環(対流)式オーブンヒーターで加熱された空気をファンによって循環させる方法で、温度調整も精度もよく現在一番多く使用されている。温度は150~170℃で加熱時間はカイダック5㎜で約15分、3㎜で約10分程度がよい。サンロイドポリプロエースは180℃で5㎜×12分程度。②直熱式オーブン金属性ボックスの中にヒーターを設置し、その輻射熱で加熱する。条件は循環式オーブンと同程度である。③油浴流動パラフィン、グリセリン水溶液、ポリエチレングリコール水溶液などを容器に入れ所定の温度に加8-24熱し、シートを浸漬して加熱する。なお、成形後は充分に油分を洗剤でおとす必要がある。条件は130~150℃でカイダック5㎜×7分、3㎜×5分程度がよい。8-2-2.絞り加工


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