工業材料シリーズ 技術資料

工業材料シリーズの技術資料となります。


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(3)接着部の設計接着部は引張りせん断には割合強いが、剥離には弱いので、最大の効果を得るように設計しなければならない。①接合部にかかる応力を最小にする。②集中応力のかからないようにする。③接着剤の最高強度方向に応力がかかるようにする。④接着力を発揮するのに充分な面積である事。⑤接着層を均一に薄くする。(4)被接着面の表面処理被接着面に、油、手あか、異物などが付着している場合、接着効果が落ちるので表面処理を行う必要がある。①塩化ビニル板アセトン、アルコール、トルエンなどの溶剤で軽く拭く。場合によってはサンドブラスト、サンドペーパーなどで適当な粗さにする。②金属板継目の段違いや溶接部の凹凸をグラインダーで平滑に仕上げ、サンドブラスト又はグラインダーで研磨する。溶剤で清拭しておく。③木材凹凸はカンナなどで平滑に仕上げる。隙間や節穴は木材などを充填し平滑にする。水分があると接着力に影響するので充分乾燥した木材を使用する事。④コンクリートコンクリート中の水分は接着力を低下させるので充分乾燥させること。(水分含有率10%以下)コンクリ-トの表面の凹凸はサンダーで平滑に仕上げる。コンクリートはアルカリ性であるため接着剤によってはプライマー処理を必要とする。(5)接着方法①常温接着塩化ビニル板同志の接着は通常ビニル系接着剤、溶剤、ゴム系接着剤を用い塗布後圧着する常温接着法による。密着力を高めるためと溶剤による板の膨潤を防ぐため接着剤は適量使用する事。サンロイド接着剤C1000Dは注射器などで注入し圧着する場合は、100cm2当り1cc程度が適量で、圧力は0.2~0.49MPa〔2~5kgf/cm2〕かけるのがよい。②加熱接着塩化ビニル板と金属、木材、コンクリートなどを接着する場合は一般にゴム系の接着剤が使われ、定められた方法で塗布乾燥させる。この場合接着剤中に含まれる溶剤を充分に乾燥させる事が必要である。接着には120℃~130℃の温度で接着面を加熱軟化させローラー、布などで圧着して脱泡する。この時必要な圧力は0.39~0.59MPa〔4~6kgf/cm2〕が適当である。8-34


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