工業材料シリーズ 技術資料

工業材料シリーズの技術資料となります。


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第8章8-51実作業において溶接変形の防止法として、ビード順変更法、拘束法、逆歪み法などがよく応用されている。①ビード順変更法ビード順を変更することによって熱を分散させ、変形を少なくしたり発生した歪みをうち消し合わせたりするもの。例えば、右図のような円形の塔槽類の溶接においては、A→B→Cの順や、①→②→③→④の順に、対称に溶接を行うことによって変形を防止する方法。②拘束法治具や重量物によって強く押さえたり補強材を溶接したりして変形を防止する方法。③逆歪み法溶接後に予想される歪みの状態に応じて、あらかじめ逆歪みを与えておき、溶接したときちょうど正しい位置・寸法になるように準備する方法。④溶接部あるいは溶接関連部分を予熱して残留応力の緩和を行うことも効果的である。溶接ビード割れが発生するもっとも大きな要因は溶接棒保持角度が不適当なことに起因しており、溶接ビード部の冷却収縮によって溶接線の直角方向に多数の割れが発生することがよく認められる。これらの割れをそのままにして、その上から重ね溶接することはますます割れの発達を助長し、それが内部ノッチとなるので、割れ発生ビードは必ず削除して改めて溶接するように配慮しなければならない。・実作業における溶接変形防止法


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