工業材料シリーズ 技術資料

工業材料シリーズの技術資料となります。


>> P.372

②シャボン玉泡検査法テスラーコイルによらない検査方法としてシャボン玉泡検査方法がある。テスラーコイルが無い場合、あるいはコーナー部の溶接線が集まった複雑な部分の検査に適した方法といえる。プラスチックは一般に疎水性であり、表面張力で小さな間隙に水が浸透しにくい。そこで石鹸により表面張力を低下させて浸透性を高め、さらに吸引するかエアを吹き付けることによりわずかな間隙に浸透させ、泡でピンホール等の存在を確認する実用的な検査方法である。注意:内圧を加える、もしくは減圧する場合には、構造物の強度を考慮し、圧力を加えすぎないように減圧しすぎないように、十分注意すること。各溶接個所に石鹸水を刷毛等で塗る。内圧を加える、または減圧する。③水張試験実作業における完成品の検査には水張試験がよく用いられる。とくに槽類の検査方法としては一般的な方法である。水張試験は、溶接部の温度が室温まで低下したのを確認した上で行う。溶接作業終了直後のまだ溶接部が熱いときに注水すると、板の表面が急激に冷却され、まだ熱い内部との間に熱応力が発生し溶接部にクラックが発生することになる。槽は安定な状態に保ち、部分的に荷重がかからないようにし、水は静かに注ぐ。水は一度満水状態まで入れ、そのまま1昼夜放置する。この状態で保つことはピンホールなどの発見だけでなく、適切に溶接されているか、溶接強度はどうかを水圧がかかった状態で確認するための検査にもなる。1昼夜以上のテストが終了した後、いったん水を抜き、外観を確認した上で再度水張りすると、水を抜いたときの材料の弾性回復状態での溶接の信頼性が確認できる。したがって、水張試験は少なくとも2回以上実施することが望ましい。満水で一昼夜放置水抜きし、外観の確認再度、一昼夜以上放置8-54


<< | < | > | >>