工業材料シリーズ 技術資料

工業材料シリーズの技術資料となります。


>> P.374

参考熱板溶接熱板溶接は、主としてポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)のように結晶性が高く、かつ酸化劣化しやすい材質の接合に適用されてきたが、最近では塩化ビニルパイプの突合せ溶接やスリーブ溶接などにも応用されている。熱板溶接は、熱板によって溶融接合するため、溶接部の酸化劣化を防止することができる。ポリエチレン、ポリプロピレン、ふっ素樹脂のような結晶性高分子材料は、加工時の熱履歴により構造変化を起こしやすく、原材料に比較して予想外に性能が低下する場合がある。例えば溶接部や曲げ加工部などの応力割れの原因は結晶構造に起因することが多く、塩化ビニル樹脂のような無定形材料に比べて加工技術上の注意と熟練が要求される。熱板溶接の大きなメリットは、接合部の酸化劣化を防止するとともに接合強度の信頼性が高いことにある。適正な条件で加工された熱板溶接品の継手強度は母材強さ同等の値を示す。現在では装置の関係から板の接合よりもむしろパイプの溶接に多く使用されており、継手は従来の射出成形品あるいは熱風溶接に加え、大口径管などは熱板溶接に替わっていく傾向にある。加熱材料材料熱板8-56


<< | < | > | >>