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★ピンホール検査における注意溶接完了後のピンホール検査は、一般に高周波高電圧法のテスラーコイルを用いるが、火花放電によってオゾンを発生し、これを吸入すると吐気を催したり眼球の充血などをきたすことがあり、必ず新鮮な空気の雰囲気下でテストするとともに、うがいや洗眼などの予防と事後手当てが肝要である。★ホットジェット溶接作業の安全ホットジェット溶接においては、溶接器による感電・火傷、有害ガスの発生による中毒や火災・爆発に対する注意が必要である。・感電、漏電、火傷延長コードなどを使用する場合、コードのねじれ・損傷等により感電したり他の鋼材と接触して漏電する恐れがある。とくに雨天時に、屋外配線で作業を行う場合には、漏電、感電に十分注意が必要である。ガンや熱風による火傷の恐れがあるため、事前の設備点検を確実に実施して、作業しやすい環境、姿勢を確保するとともに、ガンの置き場所を定めておく。・溶剤引火プラスチックの加工の際は接着剤や溶剤を使用することが多いため、これらからの溶剤ガスに引火する危険性がある。貯蔵品はもちろん使用中の小分け品についても熱風が当たらないよう、また漏電火花による引火が起こらないよう置き場所に注意しなければならない。さらに換気装置、万一の場合の化学消火器・砂・水などの消火設備も整備しておく必要がある。・臭気、発生ガスプラスチックを加熱することにより独特の臭気が出ることがある。例えば、塩化ビニル板の溶接の場合、スズ系の安定剤を使用した板・溶接棒からは、いわゆるスズ臭がし、ポリプロピレンの場合はワックス臭がする。これらは有害というほどのものではないが、人によっては気分が悪くなることもある。臭気は個人差の問題であるが、換気を十分に行うよう心掛ける。一方、発生ガスで注意しなければならない例としてフッ素樹脂の溶接がある。フッ素樹脂を加熱すると、種類によっては微量のフッ化水素のガスが発生する。このガスは腐蝕性があり、かつ人体にも有害であるので換気や防毒マスクの着用が必要である。また難燃ポリプロピレンなどの塩化ビニル以外の難燃材料の場合、臭素系の難燃剤をブレンドしているケースが多く、これらからは臭素系ガスが遊離・揮散しやすい。それらはフッ素系ガスと同様有害であるので同等の対策が必要である。8-58