工業材料シリーズ 技術資料

工業材料シリーズの技術資料となります。


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ビス・リベット・ボルトナットによる接合は、多くの場合、異種材料との接合に使用される。以下に、これら固定方法による固定時の注意点について説明する。①使用温度固定物の種類・使用サイズによって異なるが、例えば金属にプラスチック板を固定し、50℃で使用するといった場合には、金属とプラスチック板の線膨張の違いにより、サイズや固定方法によっては大きな膨れや固定部分からの割れが発生する場合がある。線膨張による変形を固定によって完全に押さえ込むことは困難であるとともに、内部応力が発生し、思わぬ部分から破損に至る場合もあるため、これら線膨張の違いによる伸びの違いは、固定部分で逃がす事が望ましい。、一般鋼の線膨張係数を1.3×10-5/℃とし、PVCの線膨張係数を7×10-5/℃とすると20→50℃の今って、ボルト穴は、ボルトの公称軸径に対し2㎜程度のルーズホールとし、固定の際には、一度かた従く締めてから、半回転程度緩めるように固定する。(完全に固定してしまうとルーズホールの役割が期待できない)温度差によって生じる不具合は昇温時だけではなく、温度下降時にも発生する。昇温時にはプラスチック板の膨れ、温度下降時にはプラスチック板の割れとなって現れる場合が多い。オレフィン系樹脂などは線膨張係数が大きく、温度差によるシートの伸縮はより大きい傾向にあるため温度差で1mあたりに生じる伸びの違いは下式によって計算される。7×10-5-1.3×10-5)×(50-20)×1000=1.71(㎜)((1)使用環境の考慮注意が必要である。②運搬環境の考慮第8章実際の設置場所の使用状況はもちろんのこと、運搬時にも注意が必要である。冬場に作業場内で鉄枠に固定したものを夜中に運搬する場合や、加工品を直射日光の当たる場所に放置しておいた場合、蓄熱しやすい梱包形態で運搬した際には、シートの色や環境条件によって異なるが、かなりの温度差を生じることがある。8-3-3.ボルトナット等による接合8-59


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