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9●構造式⑥超高分子量ポリエチレン(UltraHighMolecularWeight)Polyethylene,UHMW-PE●製造法通常の高密度PEと同じく、チーグラー触媒による低圧重合法により製造される。●開発の歴史我が国では1958年、三井石油化学で工業化された。汎用HDPEには見られない物性上の特徴を有し、エンジニアリングプラスチックとしての用途展開が期待されたが、超高分子量なるが故に成形加工に難があり、需要量も他のエンプラに大きく水をあけられていた。当初成形加工方法は圧縮成形のみであったが、最近では、2軸及びラム押出機による押出成形や、射出成形、連続シート成形、ホットスタンピング法などが開発されつつあるが、まだ汎用的ではなく、今後の加工技術開発が期待されている段階である。このため品質を十分に生かしきった用途開発には至っていないが、耐超低温特性の応用は今後注目される。●特長1)耐衝撃強さが大きく、低温でも低下しない。2)耐摩耗性にすぐれ、自已潤滑性にすぐれる。3)吸水性がなく、耐化学薬品性にもすぐれる。4)電気特性にすぐれる。5)耐寒性にすぐれ、-269℃までの使用に耐える。6)無毒である。●成形加工条件圧縮成形180~220℃加熱時間40min(10㎜厚さ)押出成形180~240℃●主な用途例1)ライニング:各種ホッパー、サイロのライニング2)食品機械:ホッパー、ロール3)化学機械:バルブ、ポンプ、ガスケット4)製紙機械:サクションボックスカバー5)スポーツ:スライダー、スケートリンク(CH₂-CH₂)nSG:0.92~0.94HDT:85℃(0.45N/㎟(4.6kgf/㎠))注)粘度平均分子量が100~400万程度のものを、汎用HDPE(分子量5~30万程度)に対して便宜上UHMW-PE(又は-HDPE)と呼ぶ。