プラスチックの基礎知識

住友ベークライトのプラスチック基礎知識(技術資料)となります。


>> P.16

16●構造式⑬ポリサルフォンPoly(arylether-aryl)sulfone,PSF●開発の歴史1966年アメリカのUnionCarbide(UCC)社から<ユーデルポリサルフォン>の商品名で発売されてきたが、1985年にUCC社はポリサルフォン部門のすべてをアメリカのAmoco社に売却した。その後Solvay社が2001年にAmoco社のスーパーエンジニアリング事業を買収した。我が国では1970年より巴工業によって輸入され、電機メーカーなどの一部大手ユーザーで使用されてきた。1978年7月に、日産化学工業が国産化を前提にUCCより同樹脂の製造販売権を買取り、輸入販売しながら、市場開発を進めていたが、1987年に事業から撤退している。現在のポリサルフォン供給メーカーは、Solvay社とBASF社の2社である。●特長1)琥珀色透明(非結晶質)で、強度が大きく、耐クリープ性、低温特性が良好である。2)電気特性が良く、耐熱性、耐熱水性にすぐれ、難燃性(V-0~V-2)である。3)酸、アルカリに強く、無毒(FDA規格などに合格)で、成形収縮率が小さい(0.7%)。●成形加工条件射出成形シリンダー温度320~370℃金型温度80~150℃●主な用途例1)電気・電子:コネクター、ICキャリア、コイルボビン、スイッチ、ブッシュ2)自動車:オートフューズ、ダイナモ部品、イグニッション部品、ライト部品3)精密:時計の内外装部品、複写機部品、カメラ4)食品:電子レンジ部品、調理器、コーヒーメーカー、同サーバー、酪農機器、冷解凍用トレイ、熱水弁5)医療:人工呼吸器、人工義歯・義床、内視鏡部品●製造法SG:1.24HDT:175℃(18.6kgf/㎠)ビスフェノールAのNa塩ジクロル-ジフェニルスルホン


<< | < | > | >>