プラスチックの基礎知識

住友ベークライトのプラスチック基礎知識(技術資料)となります。


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382.4引張り強さ(tensilestrength)●一般に材料の機械的性質のうち最も代表的なものの一つが引張り強さである。一定の寸法・形状の試験片の両端に外力(引張り荷重)を加えてその材料が破断する迄の最大の荷重をその材料の引張り強さと言い、断面積あたりの荷重として表わす。●引張りの力に対する材料の抵抗力を表わす目安であり、構造材料として使用する際の設計計算に使用される重要な特性値である。●材料を一定速度で引張るとき、縦軸に荷重(応力)、横軸に伸び(歪)をとって表わすと、図の様な曲線が得られる。図においてA点を比例限応力、B点を降伏点といい、材料はB点を境として、後塑性流動による変形を起こしC点に至って破断する。引張り試験は図に示したようなダンベル型試験片を作製し通常万能試験機(インストロン型、アムスラー型、ショッパー型など)を用いて試験片の両端部を引張って行なう。2.5曲げ強さ(flexuralstrength)●曲げ強さは、図の様に曲げ荷重によって試験片が破断するまでの最大応力をいう。●鋼鉄の場合は、曲げ強さと引張り強さは同じであるが、熱可塑性プラスチックの場合、ほとんどが曲げ強さは、引張り強さの約1.5倍程度である。●設計では、厚板及びスパンの小さい長方形板・円板の応力計算の時に利用する。(薄板の場合はタワミが大きく、膜の様な形になるためほとんど引張り応力のみとなるのでこの曲げ応力は利用しない。)伸び(ヒズミ)(%)応力引張り試験片図曲げ試験方法5°h2±0.1R支点加圧クサビLLP(荷重)5±0.1R2±0.1R支点W試験片単位㎜W:幅h:厚さ図曲げ試験方法


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