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73●クロスカット試験Cross-cuttestプラスチックに対するメッキ層、印刷インキ、塗料などの密着性を試験する方法の一つ。その方法は、たとえばメッキ、印刷、塗装などを施したプラスチック製品を試験片とし、鋭利な刃物で被膜の上からプラスチック素地に達するように1㎜間隔もしくは2㎜間隔で10~20本の平行な切込み線を入れ(必要ならばこれをさらに直交する切込みを入れてごばん目のようにする)、その上からセロファンテープをはりつけ、このテープをはがしたのち、テープに付着してくる被膜の量の多少から密着力の大小を判定するのである。この方法は定量的な結果は期待できないが、簡便な方法なのでしばしば利用されている。●クリーププラスチックに一定の力を長期間加えておくと、変形(歪)が時間とともに増加していく。このような現象をクリープという。金属材料では高温にさらされてはじめてクリープ現象が生ずるのが多いが、プラスチックでは常温でも発生する。例えば「構造材料にはクリープひずみの大きな材料は使用できない。どのプラスチックが耐クリープ性にすぐれているか検討する」のように使う。●ノッチ本来の意味はV形の切れ目や刻み目をいうが、プラスチック分野では一般に衝撃強さ測定用の試験片に応力集中させるための切込みのことをいう。衝撃試験片につけるノッチには次の形状のものがある。一般にプラスチックはノッチが入ると著しく強度が低下する。これはノッチ部分に応力が集中するためであり、ノッチ→ヒビ→割れと成長して行く。